第3回
腹部インナーマッスルが使えるかをチェックしよう
運動習慣がある人でも体幹は弱い?

前回は、
体幹が強い=腹部インナーマッスルが発動している状態
とお伝えしました。

ということで今回は、腹部インナーマッスルをあなたが使えているかチェックする方法を紹介します。

「そんなことよりも、鍛え方を早く知りたい!」
という方もいると思うのですが、簡単にできるチェック方法なので、まずは一度やってみてほしいと思っています。

というのも、私がこれまでに見てきた患者の多くが、腹部インナーマッスルをあまり使えていない状態だったからです。

しかも意外なことに、
日頃スポーツやトレーニングを習慣にしている人でも体幹は弱い。
というケースも少なくありません。
(記事後半の事例紹介を参照)

読者の中にも
「自分は普段運動しているから大丈夫だろう」
と楽観視している人が一定数いるのではないかと思います。

というわけで、そういった方にも危機感を持って頂くため、まずは以下のチェックをやってみましょう。

あなたの腹部インナーマッスルは発動しますか?
チェック方法

①仰向けになって、膝を立て、腕を胸の上に置く。

②どこも押さえず、勢いもつけずに、ゆっくりと上半身を起こす。

上の動画のように、①の状態から②の動作ができれば「腹部インナーマッスルを使えている」と判断できます。

間違ったやり方

以下のような、間違ったやり方に注意しましょう。


間違い1

足を押さえてもらうのはNG
⇒脚の筋肉を使えるようになり、簡単にできてしまう。


間違い2

最初に勢いを付けるのはNG
⇒②の動作の最初に「えいっ」と勢いを付けると、簡単にできてしまう。

あなたは、正しく①から②への動作ができましたか?

今回お伝えする内容は、このチェック方法だけとなりますので、まずはこちらをやってみてください。

【事例紹介】
体幹が弱かった消防士

20代後半の男性(Bさん)が、「友人から姿勢の歪みを指摘された」ということで来院しました。

この方は消防士をやっており、日頃からかなり身体を鍛えているようで、見た目も分かりやすくマッチョな体型です。

しかし、彼に「真っすぐ立ってください」と言って姿勢をチェックすると、かなり姿勢が悪い状態でした。

具体的には、右足に重心が偏り、骨盤は左側が下がり、首は右に傾いていました。

例えるならば、崩れる前のジェンガのように、ギリギリどうにかバランスを保っている状態でした。

年齢が若いため、痛みなどの症状は出ていませんでしたが、放っておけば更に悪化するのは時間の問題であったと思います。

姿勢に問題が生じていたため、
腹部インナーマッスルが使えておらず、体幹が弱い状態。
と判断できます。

このBさんのように見た目からしてマッチョな人というのは、表層のアウターマッスルが鍛えられているだけであって、インナーマッスルに関してはあまり知識がないというケースもよくあります。

そしてこのようなタイプの人は、20代前半頃までなら自覚症状がなくても、それ以降になると悪習慣の蓄積の影響が出るようになります。

そこで、このBさんに対して、2ヵ月間にわたり体幹強化メニューを提供したところ、非常に大きな変化がありました。

2ヵ月間での変化
Before

腕立て伏せをするときに、100回を超えてくると、体幹の部分が重力に引っ張られて落ちてきてしまう。

After

良い姿勢を維持しながら、腕立て伏せ300回をクリアできるようになった。

一体どのような方法で体幹を強化したのでしょう。

次回からはいよいよ、体幹強化の具体的な方法も紹介しますので、楽しみにしていてください。

第3回
腹部インナーマッスルが使えるかをチェックしよう