腹筋と聞くと、いわゆる「シックスパック」をイメージする方が多いと思います。
しかし、これはあくまでも腹筋群の一部であり、お腹の表層部にある「腹直筋」というアウターマッスルのことを指します。
しかし、体幹を強化したい場合は、深層部にあるインナーマッスルの方を鍛えなければなりません。
そこで本講座では、腹部インナーマッスルを鍛える動きを「正しい腹筋運動」と呼ぶことにします。
まずは、多くの人がやりがちな「間違った腹筋運動」をお見せします。
一体どこが間違えているのでしょうか?
それぞれ説明していきます。
①足を押さえてもらうのはNG
⇒足の筋肉を使えるようになり、腹筋を使わずにできてしまう。
②最初に勢いを付けるのはNG
⇒上の動画では分かりにくいですが、動作の最初に「えいっ」と勢いを付けると、簡単にできてしまう。
つまり、「正しい腹筋運動」は
・他者に押さえてもらわず1人だけで行う。
・勢いを付けずに、ゆっくりと起き上がる。
という条件で行う必要があります。
以上を踏まえて、福井先生による「正しい腹筋運動」の実演をご覧ください。
実際にやってみると分かりますが、上半身を完全に起こすまでゆっくりと起き上がるのは意外と難しいです。
したがってそのような場合は、腹部のインナーマッスルである「腹横筋」などを鍛えることで、体幹強化に繋げることが可能になります。
ここで1つ、よくある誤解を紹介します。
それは、
「運動習慣がある人でも、インナーマッスルが使えているとは限らない」
「運動習慣がない人でも、インナーマッスルはしっかり使える人もいる」
ということです。
実際、福井先生は後者に当てはまります。
反対に、スポーツやトレーニングが習慣になっていても、アウターマッスルが発動しやすい人は、インナーが使えない分だけパフォーマンスが制限されてしまいます。
福井先生の過去の患者で、ガチガチに鍛えている消防士がいました。
見た目も分かりやすくマッチョ体型です。
しかし、身体の不調から福井先生の元を訪れたこの消防士さんは、インナーマッスルが使えていなかったのです。
その証拠に、腕立て伏せを続けているとだんだんお腹が床に近づき、身体を一直線に保つことができませんでした。
そこで、インナーマッスルの強化に取り組んだところ、上記の問題を解消することができました。
その後の彼は、なんと腕立て伏せを300回も続けられるようになったのです。